標準手話研究部
標準手話研究部は、全日本ろうあ連盟が1969(昭和44)年に設置した「手話法研究委員会」以来の歴史があります。
手話法研究委員会は、1987(昭和62)年より「日本手話研究所」となり、「日本手話確定普及研究部」の研究成果(標準手話)は毎年報告書によって公開されました。
2006(平成18)年には日本手話研究所が全国手話研修センターに移管し「標準手話確定普及研究部」となりました。2022(令和4)年、「手話言語研究所 標準手話研究部」と改称を重ねましたが、1969(昭和44)年の発足時から現在に至るまで標準手話の確定と普及に取り組んでいる研究部です。
手話法研究委員会が発足した頃は、地域によって手話単語の表現が異なり意思疎通が不便であったことや、手話を学ぶためのテキストが求められたことから、全国的な「手話の共通化」を重要課題ととらえ、全国から選出された委員の主導により『わたしたちの手話』第1巻を発刊しました。このときから標準手話の研究が始まりました。標準手話研究事業は、1979(昭和54)年からは厚生省(当時)の委託事業となり、これまでに確定した標準手話は13,000語を超えています。
現在の標準手話研究部は、本委員会と9班からなる約60人の研究員により、年間約300語の標準手話を確定しています。確定した手話単語の映像を「新しい手話の動画サイト」で公開するとともに、全日本ろうあ連盟、障害者放送通信機構、全国聴覚障害者情報提供施設協議会などと連携して、標準手話の普及に努めています。
研究方針(厚生労働省委託事業「手話研究・普及事業」)
きこえない人の日常生活の利便を図るため、手話の研究や新たな造語等を行うとともに、きこえない人および関係者等への研究成果等の普及啓発を行い、もってすべての人の豊かな言語生活の発展を目的とします。
また、きこえない人の当事者団体やグループの実施する手話調査、研究、開発、普及事業に、研究員の派遣等を通じてノウハウを提供していきます。
標準手話ができるまで
① 標準手話が必要な検討単語リストを作成
② 検討単語リストに沿って、北海道班~九州班の9班で表現研究を行います
③ 9班の表現案をもとに、本委員会で標準手話の案を考えます
④ パブリックコメントを募集します。(この時点で「新しい手話の動画サイト」に掲載)
⑤ パブリックコメントの結果をもとに、本委員会で標準手話を確定します。
(「新しい手話の動画サイト」で確定したことの報告)
「新しい手話の動画サイト」では、2007年度以降に確定した標準手話約4,000語を常時公開しています。時事用語を中心に年4回パブリックコメント募集を行い確定するほか、医療、司法、気象、オリンピック、選挙に係る手話など必要に応じて「特集」ページで紹介することもあります。皆さんの手話に関するご意見をお寄せください。
本委員・9班研究員 任期2024.7.1-2028-6.30(4年)
-
本委員
高塚 稔(部長) 黒﨑 信幸 青柳 美子 長野 秀樹 村松 裕子
前川 和美 山本直樹 -
北海道班
金原 輝幸(班長) 若浜 ひろ子 大内 祥一 吉野 木の実 -
東北班
加藤 薫(班長) 浅利 義弘 高橋 幸子 齋藤 千英 小野 善邦 山中 沙織
菅原 伸哉 -
関東班
那須 英彰(班長) 植野 慶也 小出 真一郎 小林 聖司 古橋 浩司 早川 健一
内田 元久 渡邊 早苗 井上 美和子 -
北信越班
菊池 友達(班長) 浜野 秀子 青井 佳奈子 目黒 美帆 村上 健 川角 卓 -
東海班
鈴村 博司(班長) 武内 晴香 武田 太一 西川 暢悦 内藤 由香里 -
近畿班
吉田 正雄(班長) 伊藤 芳子 柳 喜代子 山本 紋子 田邊 理恵子 街 好平
岡本 麻佑 -
中国班
高塚 千春(班長) 亀田 明美 塚原 辰彦 大岡 政恵 中井 伸之 庄田 正子 -
四国班
竹島 春美(班長) 前田 真紀 近藤 龍治 山本 勝 村木 理恵 -
九州班
山本 秀樹(班長) 松藤 麻美 遠矢 千尋 荒木 宏彦 日髙 美沙妃 中村 稔
松本 幸造 城間 枝利子 溝ノ口 光輝 松下 妙子